最近のジャーナル事情 新年度の挨拶と共に

新しい年度になりました。本年度もどうぞよろしく願い致します。
なんとか食い扶持(任期付)を手に入れることが出来ました。数年間で,頑張ってパブリッシュを増やして,次のステージに備えなければなりません。

さて,ずっと書こうと思っていた,最近のファイナンス関連のジャーナルの話題をいくつか列挙します。

  • Review of Corporate Finance Studies

昨年のIFがファイナンス分野においてNo.1になったRFSが,資産価格とコーポレート・ファイナンスの雑誌を新たに刊行しました。そのうち,コーポレート・ファイナンス分野の雑誌,Review of Corporate Finance Studiesへのアクセプト第1号論文が,やっと出たようです(少し前のことですが。。。)。雑誌へのリンクはこちらになります。
ただ,初代editorのMichael RobertsがJoFのeditorになるから,第1巻の刊行前に降りるなど,なかなか運営が上手くいっていない様子が垣間見れます。なお,同時に創刊のアナウンスメントが行われたReview of Asset Pricing Studiesは第1巻が刊行されたとのこと。最近のコーポレート・ファイナンス偏重の影響か,資産価格系の論文がトップに乗りにくいという話を見たことがありますが,こういったトップ・ジャーナルの箔がついたフィールドの雑誌ができれば,投稿が殺到するのですね。

  • Critical Finance Review

資産価格,コーポレート・ファイナンス両方の分野で,アクのある,良質な論文をパブリッシュし続けているIvo Welchが創刊した新しいジャーナルです。自身が数年かけて作ったテキストを,出版社から版権を買い取った上にオンラインで公開するなど,常に予想のつかない行動を取り続けるWelch御大,ついに雑誌を作り上げました。
こちらもやっと第1号が出版されたようです(リンク)。オンラインから誰でも閲覧できます。当初は推薦のあった論文を掲載して,泊を付けていき,将来的にはTop 3に並ぶジャーナルに育てると意気込んでいます。
第1号は大御所ばかりですね。

RCFSもCFRも,雑誌刊行のアナウンスメント自体は2年くらい前からあった気がします。大きな仕事であることが予想されますし,時間がかかるんですね。

  • Special Issue of JFE

JFEの最新号は,投資家心理の特集号とのことです(リンク)。あまりトップジャーナルで特集号を見たことが無い気がします。一方でBクラスはよく特集を組んでいるイメージがあります。
同分野で仕掛品の論文があるので,早く形にしないといけません。。。