ファイナンスの実証論文の平均的サイズは本文が33頁,12個の表,5つの図,でおおよそ55頁になる

 実証ファイナンスの論文のサイズはどの程度が平均なのだろうか。米国トップスクールのPhD candidatesのjob market paperを調べることで,今の若手が各論文の平均的なサイズを推測してみた。対象はChicago BoothやPrincetonなどでファイナンスの実証メインのJMPである。ザクっと知りたかっただけなのでn=9。数が少ないかもしれないが,増やしたところで何があるわけでもないので,ご勘弁を。

理論メインのJMPは除外した。また1つのTableが2つ以上のPanelsに分かれているケースもあるが,それらはTable数,つまり1つとしてカウントした。
結果は下の通り。Tableは平均で本文に12.22, Appendixに4つ,合計16.22のTableが掲載されている。なかには本文だけで20,Appendixを入れると26のTableを含んでいる論文がある。
Figuresは平均で6つである。これも複数の図がひとつのFigureとして纏められているケースも1つとしてカウントした。

まとめると,本文(Rererencesまでのページ数)は34頁で構成されて,さらには12のTables,5.4のFiguresが含まれているのが平均的な論文のサイズである。参考文献に2頁費やしたとすると,だいたい50~55頁程度のサイズか。更には5つの図や表で構成れたAppendixが付随する。
なかなかの膨大なサイズになる。チェックした論文はおそらく全てがLaTeXの標準のスタイルで書かれていた。
おそらくこれらが就職後にトップジャーナルに投稿されることになるのだから,これがトップジャーナル投稿論文の標準的なサイズとも言えるかもしれない。

*Appendixの位置
全ての論文にAppendixがついていた。本文とReferenceの間に含まれているケースと,Internet Appendixとして別個公開しているケースの両方が確認された。

 

図1    平均的なJMPの構成

本文 本文 本文 Appendix Appendix 合計 合計
頁数 Tables Figures Tables Figures Tables Figures
29 10 3 1   11 3
30 14 2 3   17 2
42 9 6 3 1 12 7
34 13 4 10   23 4
27 14 7 10 2 24 9
41 20 3 6   26 3
34 10 14 1 3 11 17
35 11 3 2   13 3
33 9 7   1 9 8
平均 33       16.22 6.22