Rの特徴

「データは全てオブジェクト」,「データは全て行列」
です。たぶん合ってると思います。
Rでは,データを全てオブジェクトに入れて,それを操作していきます。
あるデータ・フレームを開いて,その中から条件にあうセルだけをキープしたり変数を作成し,それらを別途,新しいデータ・フレームとして操作することもできます。まぁ便利。

Stataは,一度に一つのシートしか開くことができません。その点Rは,いろいろ開くことができるので,例えば財務データと株式データを一緒に開くこともできます。Stataで同じ事をするには,preserveを使う,local変数を使うなどしないといけません(たぶん)。

csvデータの読み込み

x <-read.csv(filename.csv, sep=",",header=T)

でおk。これでxというオブジェクトに格納される。
Rubyをやってると,csv.readかと思うけど,read.csvのようです。
なお,filename.csvがファイル名
sepで,セルの区切りを指定。","だとコンマ区切り,"\t"だとタブ区切り
header=Tで,1行目が,変数名であることを指定できる。
あと,使ったことがないですが,step=nで,頭n行を飛ばすことなどが可能とのことです。シートの頭にファイルの説明を書くなどができ,融通の利く使い方ができそうです。

固定長データを開く

sep=""と指定すると,連続した空白をデータとデータの区切りと認識します。ですので,固定長でセルの間にある空白の数がいくつなのか分からないデータ(Portfolio masterなど)でも,
stock_data <- read.csv(data1.csv, sep="")
で開くことができます。まぁ便利。

オブジェクトの削除

オブジェクトの削除

rm(object_name)

xというオブジェクトを削除するならrm(x)

ちなみにすべてのオブジェクトを削除するには

rm(list=ls())

で大丈夫です。
説明をすると,ls()で全てのオブジェクト名を参照することができます。ですので,上のコマンドで,削除するオブジェクトとして全てのオブジェクト名を上げることになります。

最後にRの気になったところを上げます。データフレーム・エディタとRエディタ(doファイル・エディタのようなもの)の使い勝手が非常に悪いです。GUIの肝になるところなので,このあたりは改善してほしい。

ざっと触った感じですが,Stataは統計ソフトの一方で,Rはベクトルをベースにした統計もできるプログラミング言語って印象でした。
上で書いたとおり,Stataは一つのシートを操作することを前提しているのに対して,Rは行列操作をすることがベースなので,細かなデータ操作の方法について,それぞれがそれぞれの進化をしている感じがしました。
もうちょっとRに慣れたら,そのあたりもエントリにできればと。

参考書としては, 『rの基礎とプログラミング技法

Rの基礎とプログラミング技法

Rの基礎とプログラミング技法

を参考にしてます。他はざっと見ている限りでは名著,『The R Tips』
The R Tips―データ解析環境Rの基本技・グラフィックス活用集

The R Tips―データ解析環境Rの基本技・グラフィックス活用集

が良さそうです。
最近新しい本がいくつか出ていますが,正直,表層的なことしかかかれておらず, 上の本,あるいはGoogleで十分間に合うと思います。
あと,いろんな本が,冒頭でn <-c(1,2,3)みたいな例文を出すことが多いですが,はじめからそんな使い方をする人なんていないので,csvファイルの読み込み,あるいはR内に初めから入っている irisデータの読み込みから始めたらよいのにと思います。
どうように,3+4と打ったら7って結果が出るってのも,疑問です。