AFBCに参加してきました。Ph.D.フォーラムが刺激的でした。

Australasian Finance & Banking Conferenceに参加してきました。一般参加者から高い参加費を取って,それで欧米の有名な研究者やPh.Dの学生を読んでいるようで,刺激的な日々でした。
蛇足ながら,私は,2年前にPh.Dフォーラムに落とされ,昨年は予算不足から参加を見送っていたので,3年がかりでの参加です。
初日はPh.Dの発表がメイン。できるだけ参加したかったのですが,体調がよろしくなかったので,全て参加できず。ただ,招聘している有名な研究者3人により,"Developing and Enhancing Research Capacity"というセミナーには参加できた。覚えている内容だけでも以下にメモ書き。

Masulisコーポレートファイナンスのあらゆる分野の論文を書いているMasulisがトップバッター。内容は,

  • 経済学的に意味のあるトピックを見つけること
  • モデルに基づいた分析をすること
  • できるだけ網羅的なデータを用いること
  • 最新の統計手法を用いること

それ以外にも,

  • 他人とはフレンドリーに接すること。若いうちは他人の論文を批判するな。批判するのは22年くらいキャリアを積んでからで十分。他者を批判する論文を書いたのならCritical Finance Reviewにでも投稿しておけとのこと。なお,CFRを主催しているIvo Welchの弟子ともお会いしたのですが,かなり聡明な方でした。余談終わり。
  • 共著者を見つけろ。見つけても,同じ共著者とばかり研究するな,とのこと。

といった内容。


二人目は,Avanidhar Subrahmanyam。
論文を載せるにあたっては,どのジャーナルに載せるかが大事。自分の論文がそのジャーナルに掲載されている様子がイメージできるかを考えてみること。そんなことなかなかできなさそうですが。
論文の中で,自分の研究が素晴らしいということを強調すること。強調する点がなければ,「筆者の知る限りこの論文が***に関する初めての研究である」とでも書いておけとのこと。

あと,大学院生はJMPをLaTeXで書くように,とのこと。理由はその方が頭が良さそうに見え,体裁も良いから。これには全く同調できません。なお,このセミナーの発表者は3人共Power Pointを使っていました。

仮説について
「xとyが相関している」ということではなく,「なぜxとyが相関するのか」について,きちんと考える。そのあとで,仮説を立てて,検証をしろ,とのこと

三人目はHFTなどの研究をしているEkkehart Boehmer。
おもしろかったのはMasulisとは正反対の内容を言っていました。覚えている限りでは,-自分がしたいトピックを見つけること

  • データは必ずしも網羅的でなくても良い。

ただ,後者に関しては,どこの国のデータでも良いというわけではなさそうです。彼の研究内容を聞くことができたのですが,データの独自性がある国のデータを選んでいます。

当初,ブログ投稿をする予定がなかったので,ざっとしかメモをしていませんでした。発言内容が少し違ったりするかもしれません。