display関数で表示させる時のformat指定

久々にStataネタ。

何らかの計算結果をlocal変数に代入し,その後displayコマンドで表示させたい時を考えます。local変数に入れた値が大きい場合,指数として表示されることがあります。その時に整数として表示させる方法。
やり方は簡単で,displayコマンドの後にlocal変数のformatをかませばOK。以下のとおり。1行目でlocal変数への代入,2行目は単純にdisplay関数を用いて,指数表示,3行目はformat指定をして表示。

local hoge = 123456789012345
dis `hoge'
dis %16.0f `hoge'

出力結果は以下のようになるはず。

. local hoge = 123456789012345

. dis `hoge'
1.235e+14

. dis %16.0f `hoge'
123456789012345

分析結果の表示に関して,細々としたTipsを溜めたので,まとめて記事にしたい。と思ってたけど,まとめるのが億劫なので,単発で記事に。

このとき,local変数の前にformatの指定をするのがミソ。例えば,二つのlocal変数を一行で表示させるときは以下のように,指数表示されては困る変数の直前にformat指定をする。

local n = 777
local hoge = 123456789012345
dis `n' %16.0f `hoge'

AFBCに参加してきました。Ph.D.フォーラムが刺激的でした。

Australasian Finance & Banking Conferenceに参加してきました。一般参加者から高い参加費を取って,それで欧米の有名な研究者やPh.Dの学生を読んでいるようで,刺激的な日々でした。
蛇足ながら,私は,2年前にPh.Dフォーラムに落とされ,昨年は予算不足から参加を見送っていたので,3年がかりでの参加です。
初日はPh.Dの発表がメイン。できるだけ参加したかったのですが,体調がよろしくなかったので,全て参加できず。ただ,招聘している有名な研究者3人により,"Developing and Enhancing Research Capacity"というセミナーには参加できた。覚えている内容だけでも以下にメモ書き。

Masulisコーポレートファイナンスのあらゆる分野の論文を書いているMasulisがトップバッター。内容は,

  • 経済学的に意味のあるトピックを見つけること
  • モデルに基づいた分析をすること
  • できるだけ網羅的なデータを用いること
  • 最新の統計手法を用いること

それ以外にも,

  • 他人とはフレンドリーに接すること。若いうちは他人の論文を批判するな。批判するのは22年くらいキャリアを積んでからで十分。他者を批判する論文を書いたのならCritical Finance Reviewにでも投稿しておけとのこと。なお,CFRを主催しているIvo Welchの弟子ともお会いしたのですが,かなり聡明な方でした。余談終わり。
  • 共著者を見つけろ。見つけても,同じ共著者とばかり研究するな,とのこと。

といった内容。


二人目は,Avanidhar Subrahmanyam。
論文を載せるにあたっては,どのジャーナルに載せるかが大事。自分の論文がそのジャーナルに掲載されている様子がイメージできるかを考えてみること。そんなことなかなかできなさそうですが。
論文の中で,自分の研究が素晴らしいということを強調すること。強調する点がなければ,「筆者の知る限りこの論文が***に関する初めての研究である」とでも書いておけとのこと。

あと,大学院生はJMPをLaTeXで書くように,とのこと。理由はその方が頭が良さそうに見え,体裁も良いから。これには全く同調できません。なお,このセミナーの発表者は3人共Power Pointを使っていました。

仮説について
「xとyが相関している」ということではなく,「なぜxとyが相関するのか」について,きちんと考える。そのあとで,仮説を立てて,検証をしろ,とのこと

三人目はHFTなどの研究をしているEkkehart Boehmer。
おもしろかったのはMasulisとは正反対の内容を言っていました。覚えている限りでは,-自分がしたいトピックを見つけること

  • データは必ずしも網羅的でなくても良い。

ただ,後者に関しては,どこの国のデータでも良いというわけではなさそうです。彼の研究内容を聞くことができたのですが,データの独自性がある国のデータを選んでいます。

当初,ブログ投稿をする予定がなかったので,ざっとしかメモをしていませんでした。発言内容が少し違ったりするかもしれません。

Wordのコメント機能って結構便利ですよって話

読書猿の「コメントとコメントアウトは人間が読む文章を書くのにも便利だぞ」http://readingmonkey.blog45.fc2.com/blog-entry-717.html
というエントリに対して,「ワードプロセッサーでもできたらいいのに」ってコメントがTwitterで散見された。

Wordでもコメント機能があり,特に共同で文章を書くときには有益なので,使い方をメモしておく。ただし,本文中には書けないという点で,上の記事中の用法とは,やや異なる。

  • コメントを挟み込む

コメントは,本文中の差し込む範囲を選択した上で,[校閲]->[コメントの挿入]で差し込む事ができる。

マウスを使いたくないという,急かしない人は,

    • Alt -> R -> C

あるいは

    • Ctrl + Alt + M

で入力可能。

コメントを入れると下みたいな感じになる。右側の赤色の付箋にコメントを書き込むことになる。

  • コメントを剥がす

コメントを剥がすときは,本文中の選択されている範囲にカーソルを持って行き,

  • 右クリック->M

で消し去ることができる。

  • コメントを一旦非表示

コメントなどは残したい,でも一旦完成原稿を印刷したりPDF化したい場合は,コメントを一旦非表示にすれば良い。方法は,[校閲]のなかの[更新内容の表示]を,
[最終版:変更箇所/コメントの表示]から[最終版]に変える。

紹介したコメント機能と[変更履歴の記録]は,使い方が手軽である上に,編集を行ったのが誰かが分かることもあり,特に共同研究をするときに便利だと思う。この点においてはLaTeXよりも使いやすいように感じる。

こんな私がショートコースを英語で教えることができるようになるまでにしてきたこと

すごい昔に下書きを書いたものの,そのまま忘れ去りそうになっていたエントリーです。

先日,出身大学が新たに作った大学院プログラムで,新入生向けのpreps.(事前授業)で授業をして来ました。6コマ分で,ファイナンスの基礎的な内容を復讐するというものです。といっても内容は学部初歩レベルの会計やミクロの一部でした。コマ数がそれほどなかったことから,それほど高度な内容を説明する必要があったわけでもないです。タイトルに有る通り,全て英語でした。

私は,周りのみんながTOEICの勉強をしていた学部時代において全く英語に触れず,また修士論文までは英語で文章を書いて来たこともありません。もちろん留学経験もなく,英語で授業を受けたこともありません。ましてや授業をば。

  • CNN Student News

http://edition.cnn.com/studentnews/
ニュースのスクリプトもあります。
公開されるのは,だいたい,一日前のものからです。原稿を掲載しているのではなく,おそらく放送内容を再度書き下ろしているようなので,間違いが散見されます。無いよりは断然マシです。

  • Coursera

https://www.coursera.org/
世界中の大学の授業を公開しているサイト。ファイナンス系,経済系の授業が多い。Frank AllenのCorporate Financeを見てみたかったが,TBAのまま長い月日が。。。結局,愛想の良いインド人のおじさんのコースを取りました。
多くの授業でスクリプトが落ちています。ただし,スクリプトの質はコースに寄ってまちまち。。授業スピードを最大2倍速までできるのも便利です。

  • Open Yale Courses

http://oyc.yale.edu/economics/econ-252-11
http://oyc.yale.edu/economics/econ-251
MIT Open Courseware には,ファイナンスに近い分野で公開されている開講科目がなかったため,他のを探すと,Yaleにファイナンスの学部向けの授業がありました。片方はロバート・シラーです! ただ,重要トピックに関してしっかりと説明するというスタイルです。しかもあまりにも説明が丁寧すぎるため,途中までしかやっていません。シラー御大の意見を拝聴したいという人はご一聴を。
こちらもスクリプトが落ちているので,授業中に使うような口語表現を抜き出すのに有用でした。


最近は,英語での開講科目を増加させることが流行りになっていますが,母語高等教育が行われることをもっと誇りに思って良いと思います。

論文のテキストデータをどのように保存するか。

検索元データを一つのテキストファイルにするのか,複数のテキストファイルにするのか,議論の別れる所だと思います。私は,1論文1ファイルに分割しています。その理由は,検索結果ウィンドウの右側には,どのファイル(どの論文)で使われた表現なのかが分かります。
ScienceDirectの場合,読みたい論文の画面で,多くの場合はPDFのボタンをクリックして,論文を表示させることが多いかと思いますが,そのメイン画面に論文の文字データが全てテキスト形式で書かれていますので,これらを全て選択すれば
以下の例は直近のJFEのものです。真ん中の領域にAbstract,Introductionとあります。(著作権などに気をつけて,ぼかした画面になっています。見難くて申し訳ありません。。)
PDFファイルをテキスト形式で抜き出すと,改行の位置などで不都合が起きることがあるかと思いますが,これだとその心配がほぼ解消されます。

雑誌出版社がOxford PressやWillyの場合は,論文選択画面中に"Full text (HTML)"というリンクがあり,それをクリックすれば,テキスト形式で表示されます。

コンコーダンス・ソフトAntConcを使った論文執筆環境

というわけで早速本題。私が最近,気に入って使うようになった,AntConcについてです。これはコンコーダンス・ソフトと呼ばれるものです。ある単語の前後にどのような単語が使われることが多いのか,知ることができます。
元は言語学などで使われるソフトのようです。

以下のサイトからダウンロードできます。現時点(2013/04/26)での最新版は,antconc3.2.4w.exeです。
http://www.antlab.sci.waseda.ac.jp/

任意の場所に保存すればよいです。私は,dropboxを使っているために,
C:\dropbox\english
というディレクトリを作成し,そこにexeファイルを入れています。また,同じディレクトリにlibraryというディレクトリを作成し(つまりC:\dropbox\english\library),以下で説明する,文章ファイルはそこに突っ込んでいます。

を利用。詳しい使い方は,配布サイトや,以下のサイト
http://language.sakura.ne.jp/s/antconc.html
http://e-trans.d2.r-cms.jp/blog_detail/&blog_id=8&id=35
を参照してください。簡単に書くと,
ソフトを起動,

テキストファイルを入れているフォルダを指定(ファイルがひとつの場合はそのファイルを指定)

探したいキーワードを"Search Term"に入力してエンター。2単語以上の検索,正規表現を用いた検索も可能です。
例えば,先日英語校正に直した時に,"up to"という表現に修正された箇所がありました。論文中に使っていい表現なのかが判断がつかなかったので,調べてみますと,

私のライブラリ中では22回出現していました。さらには,ライブラリには12論文のデータがあり,そのうち6論文で用いられていた事がわかります。

このソフトを使うと,当該単語の前後の単語も表示されます。そのため,使いたい単語は思いつくが,前置詞をどうしたら良いか,またどれくらいの頻度で論文中に使われるか,ということが感覚的に分かります。もちろん,原文の表現が正しく,また自分の解釈も正しい,という前提がありますが。。。

英語校正環境に関するエトセトラ

Gingerが流行に乗っている今日このごろですが,いかがお過ごしですか。Gingerに関しては,無料でもそこそこの精度なので,有料登録をした上で辞書を鍛えると使えるソフトになるのでは,と内心思いながら,先ほどアンインストールしました。常駐してるのがうざい上に,デフォルトで常駐をオフにする方法が分からないため。